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第8代会津会会長に柳澤秀夫氏就任

ご挨拶

会津会会長 柳澤秀夫

伊藤文大会長のご逝去を受けて、平成29年10月28日の会津会総会にて会長に就任いたしました。会津生まれ会津育ちの身ではありますが、明治45年以来百年以上にわたって名だたる先人たちが築いてこられた、歴史と伝統のある会津会は、これまで私にとって、正直、格式が高く、どこか近づき難い存在というイメージがありました。それだけにその会津会の会長職をお引き受けはしたものの、はたして浅学菲才の私にその重責が務まるのかどうか?今、はなはだ不安で身が引き締まる思いがしています。  

会津会の果たすべき役割は会則の第三条に記されています。「本会は、会員相互間の親睦を図るとともに、先人の遺徳をしのび、そのよき伝統をうけつぎ、郷土の発展に資することを目的とする」とあります。私自身も会津会は、これ以上でもこれ以下でもないと考えています。しかしこの精神を大切にしながらも時代の変化にどう向き合うかが今後の大きな課題ではないかとも思っています。

5年前、会津会創立百周年に当たって当時の会津会副会長、その後第6代会長、そして現相談役の郡荘一郎先生がまとめられた小冊子「会津会百年の歩み」の締めくくりにこう記されています。「会津会が創立百年周年を迎えることができたのは、会員が和の精神を尊重し、世代を超えた大きな価値を見出したからに他ならない。しかし底に流れることは同じでも世代によって表現の仕方は変わってくる。精神的伝統は継承しつつも、形式においては、新しい時代にふさわしい内容を模索する時期に来ているのでは。今後の会津会を考えるとき、避けて通れないのが世代の問題であることは間違いない」まさに正鵠を射るとはこのことだと思います。しかしこの「世代の問題」を乗り越えることは決して容易ではない筈です。そこで大切になってくるもの。それが知恵ではないでしょうか?

「三人集まれば文殊の知恵」と言います。愚かものでも3人集まれって相談すれば文殊菩薩のようにいい知恵が出るということわざです。誤解のないように、決してみなさんを愚か者と言っている訳ではありませんので無礼な言い回しはお許し下さい。 今の時代に生きているわれわれは、まさに駅伝の走者だと私は思っています。先人から託された襷を次の世代に渡すことが役割です。汗と涙、そしてちょっぴり加齢臭がしみこんだ襷かもしれませんが、しっかりと次の若い世代に託したい!そのためにはどうすればいいのか?ぜひとも皆さんの知恵と力をお借りして「世代の問題」という難題を乗り越える道筋を見出したいと願っています。

来年は戊辰150年です。これを期に改めて会津の歴史を振り返るとともに、「ならぬことはならぬものです」に代表される「什の掟」はもちろんのこと、「愚直」「謙虚」という会津が大切にしてきた精神をいまいちど噛み締め、会津人としての生き様を静かに考えたいと思っています。

最後に、今年も大勢の方に新たに会津会の会員になっていただきました。心からお礼申し上げます。この中には会津に在住の方もたくさんいらっしゃいます。それを思うと改めてふるさと会津との結びつきを大切にしたい!会津会はなんといっても会津あっての会津会です。今後ともみなさんのお力添えをよろしくお願い致します。

1953年会津若松市生まれ。
会津高校、早稲田大学政治経済学部卒業。
NHK国際部記者としてバンコク、マニラなどで紛争地域を取材。
2002年から解説委員。
会津会役歴:副会長(2016.10~2017.3)、会長代理(2017.3~2017.10)